当初は自分が納得できればそれでよかったんですが・・・
「ここまで来たら、最後まで結論を出したら?」
そう思っちゃってから納得できなくなってしまったわけです。
今回の記事で一区切りにして、次に進みたいと思います。
- 1.これまでのお話
- 2.検証1:逃げキララ・出口アーク問題
- 3.検証2:逃げキララ・出口乱れ馬王問題
- 4.検証3:状況再現
- 5.逃げキララ・出口アーク問題の考察
- 6.検証4:特技の有効範囲の影響と足踏みしない工夫
- 7.逃げキララ・出口アーク問題の最終結論
- 8.おまけ2:杖振りモンスターの特殊性
1.これまでのお話
こういう記事を出した経緯と、記事を出した後の話を少しだけしておきたいと思います。
1.1.記事を出すまで
わんたんさんが遭遇した現象についてちゃんと知りたくなりました。
教えてください!「シレン行動→キララ移動→左下アークキララに炎吐く」というのがどうしても納得いかなくて。アークの行動決定はキララの移動よりも前にされていると思いますが、キララに炎吐く(行動決定)→キララ移動→移動したキララに炎を吐いた? pic.twitter.com/hYEyvHXEvT
— わんたん (@wantan_39) 2023年10月29日
この現象を記事では『例の場面』と呼称しています。
当初の私の予想はわんたんさんの予想とだいたい同じでした。
①キララに最初から特技を使う予定であり、キララが移動しても特技の有効範囲なので問題なく炎を吐いた。
②キララに最初は通常攻撃する予定だったが、キララが移動したため攻撃可能な特技に切り替えた。
③本来はランダムでシレンにも炎が飛ぶが、例の場面はキララに飛ぶパターンを引いた。
でも、この考えが本当なのかについて全く自信が無く、モヤっとしていました。
検証を始める前までの私は次のような認識でした。
でも検証を続けているうちに次のような認識に変わりました。
検証を行った結果、次のようなことが分かりました。
①検証1・2より、隣接敵優先の原則が確認された。(隣接・敵対状態のキララ>視認シレン)
②検証3・4より、再選択の特技率の影響で事後確率が発生し、プレイヤーの見かけ上の特技使用率が高くなる場合が存在することが確認された。
そして、例の場面については次のパターンを予想しました。
共通:アークが最初に取ろうとする行動は、隣接敵優先の原則によりキララが対象となっている。
・パターンK1:最初から特技に成功し、キララを焼くパターン。(12%)
・パターンK2:キララを焼くパターン。最初は攻撃を選択したが、キララが移動し、再選択を行った。再選択では攻撃対象を変えないため、攻撃可能な特技が選択された。(88%)
・パターンS1:キララを焼かないパターン。最初は攻撃を選択したが、キララが移動し、再選択を行った。再選択では攻撃対象を変えるため、視認しているシレンが最優先される。シレンに特技を使うか特技率で判定される。その結果、特技率に成功すればシレンを焼く。(10.6%)また、特技率に失敗すれば攻撃可能な手段が無くなり、最終手段の足踏みを行う。(77.4%)
K2とS1は、「再選択で対象を変える・変えない」という部分で論理的に相容れない関係となっており、両立できません。
私の予想として、例の場面はK1を本命としていました。そして全体像を次のように図に表しました。
1.2.記事を出した後
Agさんからご指摘をいただきました。
横から読ませて頂きました、大変刺激的なレポートでした!
— Ag (@Ag107) 2023年11月7日
一点気になったのですが、K2のパターンの挙動で、足踏みする可能性はないのかな?思いましたがいかがでしょうか。(自分では未検証です、すいません)
この指摘は正しいです。どういうことかと言うと、本来は次の表のような場合分けによって考えるべきだからです。
再選択で対象を変えない(K2)と対象を変える(S1)。
再選択で特技率(事後確率)を使わない(A)と使う(B)。
2パターン×2パターン=4パターンで本来は考えるべきです。
少しややこしくなってしまいますが、次の関係があります。
・記事公開時点のK2はK2-Aと同じです。
・記事公開時点のS1はS1-Bと同じです。
・記事公開時点で登場しなかったのが、K2-BとS1-Aです。
なお、この指摘を反映されたものが次のようになります。
まずはパターンK2の分岐。
そしてパターンS1の分岐。
一方で、間違いに至った経緯にも意味があると思い、メモを残す意味で前回の記事には「おまけ2」が追加されました。
1.3.この記事でやること
ズバリ状況再現です。
もう答えを出します。
例の場面では具体的に何が起こったかを説明し、可能性を1つまで絞ります。
これまで考えてきたパターンたちよ。ありがとう。君たちの貢献無くして先には進めなかった。
2.検証1:逃げキララ・出口アーク問題
2.1.検証方法
①アークを閉じ込める(聖域・のりうつり・つるはし等で調整)
②毒矢の罠でアークとキララの力を下げる(ワナ師の腕輪で持ち込む)
③位置関係を以下のようにする。
・シレンは部屋の角にいる(アークと隣接していないが、視認できる)
・キララは部屋の入口にいる(アークと隣接している)
・アークは部屋の出口にいる
④キララにクオーター2回振る。(クオーター集めはあかずの間99Fループでパオパ王ーン狩りが安定して早い?)
⑤アークを程よく回復し、キララに程よくクオーターを振る。
⑥キララが逃げた直後、アークはキララに炎・シレンに炎・足踏みのいずれかを行うことが予想される。アークの行動を記録する。
検証のコツ
キララを含め仲間はHPが25%未満になると逃げ始めます。
しかし、クオーターの杖は端数切り上げであり、HPが満タンだとクオーターの杖1回ではHPが25%未満にはなりません。最初は矢でHPを調整することを考えていましたが、最大HPと自然回復の関係からクオーター2回で大丈夫です。
クオーターの杖はそれなりの回数が必要ですし、最大HPが低いとターン経過ですぐに逃亡状態が解除されています。また、キララを連れていく道中で倒されても困ります。
そこで最大HPと道中の安全から、1Fでキララのレベルを十分に上げておくことをおすすめします。私はレベル30を目安にしました。攻撃が高すぎても困るので。
検証方法1の動画
2.2.検証結果1
まあ、これで終わりですからね。
大奮発して500回やりました。
その結果がこれです。
この結果から分かることがあります。
検証結果1.1:再選択では対象も変更する(確定)
シレンにも炎が飛んだので、再選択では対象の変更を行うことが確定しました。
これは隣接敵優先の原則により、キララが移動する前(移動処理時点)でシレンに炎を吐く決定はできないからです。シレンに炎を吐く決定はキララの移動完了後(再選択の段階)であるはずです。
すなわち、K2(再選択では対象を変更しない)が否定され、基本的にはS1(再選択では対象を変更する)が肯定されました。
検証結果1.2:足踏みしない(確定)
これまで「足踏みをする」予想だったのですが・・・足踏みしなかったんですよね・・・。
ある意味で今回の検証結果で最大の成果です。
ここから新しい旅が始まりました。
「足踏みしない」というのは直感では分かりますし、私も「特技が使用できる場面では足踏みをしないでほしい」という願望もありますが、どういう理屈なのかはもう少し目星をつけたいところです。
検証結果の数字から、「足踏みをする」と予想していた分は全部「キララに炎を吐く」行動になったことが分かります。
隣接敵優先の原則で攻撃対象をキララに決定したことが再選択にも影響を与えている・・・ような気がします。部分的にはK2(再選択では対象を変更しない)の要素があるような気がします。
検証結果1.3:再選択では特技率を使う?使わない?(この時点では不明)
前回「②再選択の特技率の影響で事後確率が発生し、プレイヤーの見かけ上の特技使用率が高くなっていることが確認された。」なんて書いているので、事後確率の影響はあってほしいのですが・・・事後確率の影響があれば「S1-Bでした」と言えるのですが・・・これは私の願望にすぎません・・・。
前回の検証で事後確率の影響が見られたのはあくまでも「キララと歩いて入替り、キララが前に出た場合」であって、今回の「逃げキララ・出口アーク」においても事後確率が見られるかはまだ不明です。
①「最初からシレンに炎を吐く意思があった」ならば、プレイヤーの見かけ上の特技率は12%に近づきます。ただし、これはS1-Bの否定であり、これまでの予想になかった処理過程の存在が示されます。
②「最初はキララに炎を吐く予定だったけれどキャンセルし、再選択でシレンを対象にし、特技率に成功した結果、シレンに炎を吐いた」ならば、プレイヤーの見かけ上の特技率は10.6%に近づきます。S1-Bです。検証終了です。
ただし、アークの特技率が低いので、事後確率の影響についてはこの検証からはよく分かりません。
アークの特技率:12%
事後確率の影響を受けている:88%×12%=10.6%
事後確率の影響を受けていない:12%
→10.6%と12%の違いを出すのは難しい。
そこでもう少し事後確率の影響が見える乱れ馬王で試そうと思いました。
乱れ馬王の特技率:60%
事後確率の影響を受けている:40%×60%=24%
事後確率の影響を受けていない:60%
・・・これを調べれば結論が出るので、終わる予定だったんです。
足踏みの問題はありますけれど、図のように「S1-Bの流れだろう」と。
3.検証2:逃げキララ・出口乱れ馬王問題
3.1.検証方法2
検証方法はアークと同じです。動画だけ載せておきます。
3.2.検証結果2
結果は次の表のとおりです。
最大の問題は「シレンのほうが多い」ことです。
乱れ馬王の特技率は60%ですから、シレンのほうが多いということは最初の特技率判定でシレンを対象にしたことが分かります。
これでは最初の段階で隣接敵優先の原則に反しています。
キララと隣接しているはずですから、そうであってはならないはずです。
S1-Bを前提にした図にすると次のようになります。
「移動処理段階では行動だけ決め、対象は移動後で決めるのなら・・・?」
そんな根本的な見直しまで視野に入れていました。
数字をじっくりと見直した印象としては「歩いて入替り、キララが前に出たとき」(前回の検証)と同じような気がします。キララを通常攻撃の部分を特技にまとめると、なんとなくですが数字が近いような印象を持つのです。
アークと特技や行動がほぼ同じで、特技率もそれなりにある(25%)という理由で、スカイドラゴンでも試してみました。
その結果が次の表です。
なんとなくですが、スカイドラゴンの場合も「歩いて入替り、キララが前に出たとき」と同じ印象があります。
数字を見れば、最初にシレンを対象にして特技率を使用していることが分かります。
つまり、キララが隣接していない状態です。
これは何かが間違っているのでは・・・?
3.3.検証方法1の問題点:アークとキララは本当に敵対状態か?
数日考えた結果、問題点に気づきました。
検証方法1のまずさがあるのです。
逃げキララをアークの前に出したがために、歩いて入替るだけではいけないのです。
歩いて入替る状態がそのまま引き継がれ、敵対状態が解除されている可能性があります。
例の場面は戦闘中だったはずです。
これでは状況再現とは言えません。
正しい検証方法は次のようになります。
①アークを閉じ込める(聖域・のりうつり・つるはし等で調整)
②毒矢の罠でアークとキララの力を下げる(ワナ師の腕輪で持ち込む)
③位置関係を以下のようにする。
・シレンは部屋の角にいる(アークと隣接していないが、視認できる)
・キララは部屋の入口にいる(アークと隣接している)
・アークは部屋の出口にいる
④アークとキララが最低1回以上ずつ攻撃する。(アークとキララの敵対関係を作る)
⑤キララにクオーター2回振る。(クオーター集めはあかずの間99Fループでパオパ王ーン狩りが安定して早い?)
⑥キララが逃げた直後、アークはキララに炎・シレンに炎・足踏みのいずれかを行うことが予想される。アークの行動を記録する。
⑦アークとキララを程よく回復させ、再び1回以上ずつ攻撃し、キララにクオーターを振って逃げ状態を作ることを繰り返す。
・・・毎回、戦闘させるための回復アイテムと逃げさせるためのクオーターが必要です。
けっこうめんどうな ここまで来たらやりましょう!
とりあえず100回やりました。その結果が検証3です。
4.検証3:状況再現
4.1.検証方法3
正しい検証方法をもう一度載せておきます。
①アークを閉じ込める(聖域・のりうつり・つるはし等で調整)
②毒矢の罠でアークとキララの力を下げる(ワナ師の腕輪で持ち込む)
③位置関係を以下のようにする。
・シレンは部屋の角にいる(アークと隣接していないが、視認できる)
・キララは部屋の入口にいる(アークと隣接している)
・アークは部屋の出口にいる
④アークとキララが最低1回以上ずつ攻撃する。(アークとキララの敵対関係を作る)
⑤キララにクオーター2回振る。(クオーター集めはあかずの間99Fループでパオパ王ーン狩りが安定して早い?)
⑥キララが逃げた直後、アークはキララに炎・シレンに炎・足踏みのいずれかを行うことが予想される。アークの行動を記録する。
⑦アークとキララを程よく回復させ、再び1回以上ずつ攻撃し、キララにクオーターを振って逃げ状態を作ることを繰り返す。
・・・まあ、これでまた「歩いて入替り、キララが前に出た」ときと同じような結果なら、そうなんでしょう。
検証方法3の動画
4.2.検証結果3
検証結果は次のようになりました。
ここに来て、まさかのK2-A。再選択で対象を変えず、特技率も使用していません。
アークの炎は100%キララに飛びました。
これにより、隣接敵優先の原則がどれほど強い優先順位であるかが示されました。
5.逃げキララ・出口アーク問題の考察
5.1.結論?
いやーこれで結論が出ましたね。
2週間に及んだ検証の末、結論は1つになりました。
例の場面は、隣接敵優先の原則により100%キララに炎が飛ぶ。
これが例の場面に対する私の最終的な答えです。
これで私の検証は終わりです。
では、例の場面をもう一度見てみましょう。
例の場面は動画の2時間5分35秒付近。
・・・ん?よく見ると・・・キララから見て下のアークではなく、右上のアークを攻撃している?
ということは・・・下のアークと敵対してないじゃん!
私はずっと下のアークとキララが敵対していると思い込んでいましたが・・・・・・。
思い込みはこわいですね・・・。
最後の最後で間違えてはいけない。
というわけで、敵対状態していないほうが例の場面の答えにふさわしいと思います。
検証1・2が正しくないように見えて、本当は正しかったと。
例の場面のキララは下のアークを攻撃していませんから。
つまり、「歩いて入替り、キララが前に出る」と同じ状態です。
①アークはキララと敵対していないが、隣接している
②アークはシレンを視認しているが、隣接していない
これが例の場面の正しい状況だったはずです。
・・・わりと最初のほうから前提を間違えていたのは痛恨ですが、これまでの蓄積も使いましょう。
5.2.例の場面の再整理
根本的な部分として、例の場面ではアークとキララが敵対していないため、K1・K2・S1いずれのパターンでも無くなりました。
①アークはキララと敵対していないが、隣接している
②アークはシレンを視認しているが、隣接していない
これが例の場面の正しい状況だったとすれば、次の図のような流れになるはずです。
前回の「歩いて入替り、キララが前に出る」検証により、敵対状態でないキララがアークの前に出ることでアークの移動の障害物となる場合、12%でシレンを、88%でキララを攻撃します。また、キララへの攻撃88%は再選択の特技率の判定により、特技で攻撃する確率が10.6%、通常攻撃が77.4%になることが予想されます。
今回の検証1により、アークは足踏みしないことが確定しています。つまり、特技率の判定をしないことが確定します。例の場面では通常攻撃ができないので、特技を使用することになります。
問題はその77.4%の内訳です。特技を使うことは確定するのですが、さらに対象の変更を行うかどうかは不明です。
ここでもう一度、検証結果1を見てみましょう。
もし、キララへの通常攻撃77.44%が少しでもシレンに向かってしまうと、検証結果1のようにはならないはずです。
再選択では対象を変更するモンスターもいると思いますが、アークの場合は再選択で対象を変更しないように感じます。次の検証4も参考にしてみてください。
6.検証4:特技の有効範囲の影響と足踏みしない工夫
6.1.逃げキララのターンにシレンが部屋の奥へ移動したら・・・?
本来はおまけでした。
「おもしろい性質を発見したので報告します」という感じでした。
しかし、最後の最後でこの検証が意味を持ってくるわけです。
検証方法1・2ですが、ふと思ったことがありました。
検証方法1・2ではシレンが角に移動するのですが、「もし敵がシレンを視認できなくなったらどうなるのだろうか?」という疑問です。
部屋の奥のほうに1歩下がると、敵からはシレンが視認できなくなりますし、モンスターによっては特技の有効範囲から外れるわけです。
ちなみに検証方法1・2に基づいていますから、隣接敵優先の原則が解除されている状況になります。シレンも視認できなくなるので、次に何が優先され、どういう行動を取るか興味を持ちました。
・・・というわけでやってみました。
視認できない場所に移動するとどうなるか?
文字だけだと分かりづらいと思うので、動画も上げておきます。
動画:敵と軸をずらすようにシレンが動いたら
その結果が次の表です。
まず共通しているのは足踏みをしないことです。
乱れ馬王とスカイドラゴンの場合は、特技の有効範囲に攻撃できる対象がいれば特技を使用していることが分かります。
また、アークドラゴンを見れば、最初にシレンを対象にして特技率の判定を行い、失敗した場合はキララに攻撃しています。このアークはシレンを視認できず、キララとも敵対せず、特技か移動かの選択に迫られています。そのため、移動処理時点の特技率に成功すればシレンが優先され、シレンに12%の確率で炎を吐きます。一方で、特技率に失敗すれば88%の確率で移動しなければいけないのですが、移動可能マスには移動前のキララがいたために移動できません。そこで障害物であるキララを対象にしたと考えられます。
・・・ということは、移動しようとしたマスに攻撃しただけでは?その延長線上に攻撃対象が偶然いたから特技で攻撃したのでは?
6.2.逃げキララのターンにシレンが敵と軸を合わせ、キララが敵の軸から外れたら・・・?
・・・攻撃対象を基準にしているのか?マスを基準にしているのか?
そこで、敵とシレンの軸を合わせるように逃げるとどうなるかも試してみました。
・アーク(予想):最初にシレンを対象にして特技率の判定をしているなら、シレンに12%、キララに88%炎を吐くはずです。そうではなく、移動しようとしたマスを基準にして攻撃したのであれば、その延長線上にいるシレンへの攻撃が増え、100%炎がシレンに飛ぶはずです。
・乱れ馬王(予想):「特技の有効範囲に必ず攻撃するのか?」を調べるためです。特技の有効範囲だけで索敵しているのであれば、100%シレンを攻撃すると思います。移動の障害物となっているキララに対象を決定しているならば、ギガヘッド・ガマラ問題のように誰もいないナナメに特技を使うかもしれません。
次の動画のように検証しました。
動画:敵と軸を合わせるようにシレンが動いたら
試してみた結果、次のようになりました。
この結果から、移動先のマスを基準にしているのではなく、あくまでも攻撃対象を選び、それから攻撃対象の座標を取得していることが分かります。
また、アークが炎を吐く回数や乱れ馬王の挙動を見れば、「再選択では対象を変更しない」ことが予想されます。
とくに乱れ馬王が特技の再選択で対象を変更しているならば、同じ射線上にいるシレンに対して矢を撃ってもいいはずです。
つまり、移動の障害物はそのターンの最後まで狙われ続ける。
例の場面では、キララが障害物としてアークに認識されているので、再選択があったとしても障害物であるキララを攻撃することが予想されます。移動の障害物でなければまた違う処理や結果になるのかもしれませんが・・・。
6.3.検証4のまとめ
上記の検証結果から、アークは再選択では対象を変えない可能性が高いです。
よって、例の場面は次の図となるはずです。
結果だけ見れば、再選択で特技率の判定を行う意味が無くなってしまいました。
前回の検証である「歩いて入替り、キララが前に出る」場合に「事後確率の影響でプレイヤーの見かけ上の特技率が上がっている」という話をしましたが、
例の場面は「事後確率によりプレイヤーの見かけ上の特技率が88%大きくなっている」と言い換えることができます。
アークの場合、移動の障害物を攻撃対象とするときは、再選択で対象を変えない。
これは前回の記事おまけ2「見かけ上の特技使用率を上げる方法②:論理を変える」のと論理を変える方法4の処理が採用されているように感じます。
・論理を変える方法4:特技使用率を考える・攻撃>特技>足踏み
もし(再選択した場合、かつ、特技使用率に失敗した場合){
必ず攻撃を優先する。
}それでも、もし(攻撃が使用できない場合){
必ず特技を優先する。
}それでも、もし(特技が使用できない場合)
必ず足踏みする。
}
「論理を変える方法3と4は実質やっていることは同じ」と前回のおまけ2で書きましたが、「アークの特技の有効範囲はフロア全体」という特殊性が絡んできます。もし、方法3が採用されているならば、検証4のアークが特技使用率に失敗すると足踏みする可能性が生まれてしまうわけです。
・論理を変える方法3:特技使用率を考える・特技>攻撃>足踏み
もし(再選択した場合、かつ、特技使用率に成功した場合){
必ず特技を優先する。
}それでも、もし(特技が使用できない場合){
必ず攻撃を優先する。
}それでも、もし(攻撃が使用できない場合)
必ず足踏みする。
}
でも実際のアークは簡単に足踏みをしません。ということは、足踏みの後で特技を使う判断はしていないと思います。攻撃>特技>足踏みの順番です。これについてはさっきの図を修正します。
憶測ですが、移動の障害物が死亡や破壊されない限り、アークは足踏みをしないのだと思います。
「アークが攻撃する前に移動の障害物が死亡・破壊されたとき、アークは足踏みするか?」という新たな問題が発生するわけですが、それなりの回数で検証するのはちょっと現実的ではないですね・・・。
また、検証4の結果からはいくつかの確定場面が存在しています。
シレンという確率のゲームにおいて確定場面があるのは安心できますね。
「キララがピンチならシレンが前に出たほうが生存率が高い」と前回書いたことは嘘ではないのですが、「キララもシレンもピンチで、出口に乱れ馬王がいる場合。乱れ馬王とシレンが軸を合わせるようにシレンが部屋の中央へ引っ込むと、乱れ馬王が足踏みをするので1ターン稼げる」という高度なテクニックの存在が確認されてしまいました。
・・・このテクニックを使う日が来るのかはわかりませんが、一応理論上はそうなると。
7.逃げキララ・出口アーク問題の最終結論
7.1.最終結論
2週間に及んだ検証の末、結論は1つになりました。
例の場面は、炎を吐いたアークとキララが敵対していない。よって視認シレン優先の原則により12%でシレンに、88%でキララに炎が飛ぶ。
これが例の場面に対する私の本当に最終的な答えです。
他のモンスターの場合はともかく、例の場面のアークは88%の確率でキララに炎が飛ぶことになりました。
図に表すと次のようになります。
7.2.いくつかの考察・まとめ・感想など
今回の検証1~4により、「キララがアークを攻撃しているか」「敵対状態であるか」は敵の行動決定において重大な条件であることが分かります。
また、歩いて入替った際に隣接敵優先の原則が一度解消されてしまうことも示されました。隣接敵優先の原則が解除されてしまうと、視認シレンを中心として行動が決定されることが予想されます。アークの場合、視認シレンへの特技が失敗すると、次の標的は移動の障害物(キララ)になります。移動の障害物であるキララに対しても再び特技率で判定しますが、攻撃対象を障害物キララからさらに変更することは基本的にありません。障害物を攻撃する場合の再選択では、攻撃対象を変えるくらいなら足踏みをすることが予想されます。
例の場面でキララが敵対状態である場合はパターンK2-A(再選択で対象を変えない・特技率を使用しない)が採用され、キララが敵対状態でなければ最終結論のパターンが採用される見込みです。実際は敵対状態ではなかったので、後者となったわけです。
もし敵対状態を意図的に作りたい場合は、必ずキララに1回以上攻撃させる必要があります。状況確認や検証する際は忘れない・見逃さないようにしておきたいです。
あとは感想くらいなんですが・・・。
シレン2でここまでちゃんと検証したのは初めてでしたが、今回の検証を通じて色々と考えるきっかけとなったり、大変勉強になったので、やってよかったなと思います。
私はあんまり店主の行動には詳しくないのですが、隣接敵優先の原則を応用すればより正確な泥棒テクニックにもつながるのかなとか少しだけ期待しています。
しばらく検証はいいかなと思うのですが、次に検証するなら、シレン2のターン処理に店主の処理を組み込むことでしょうか。
以上です。おしまい。
8.おまけ2:杖振りモンスターの特殊性
8.1.2回行動するパオパ王
今回の検証とは全く異なる話になるんですが・・・。
これ。
わんたんさんがまた謎の現象に遭遇している・・・やっぱり持っている方なんですね・・・
シレンが話の種を飲んだ後、パオパ王が攻撃し、眠る。
この殴ってから眠る疑問について、風石さんの指摘を受け、「0.5行動の原理」として杖を振られた直後にすばやさ草を飲むことで確認されていました。
シレンがターン経過以外の理由で鈍足状態から解除されると、杖を振ったパオパ王だけは2回行動できてしまう現象です。その経験則として、「鈍足状態になってしまったらパオパ王の前ではすばやさ草を飲まない」プレイを身に着けていきます。
この場合、復活草によって鈍足が解除されたことがトリガーになっていると私は予想しています。
でも、この話の種の場面。実はもう一つおかしなことが起きていました。
テキストメッセージと睡眠のエフェクトの順番をコマ送りにして確認してみてください。
右→左→下の順番で話の種の効果が適用されていることが分かると思います。
右のパオパ王に睡眠エフェクト・効果音→「うとうと ねむってしまった!」→怒り効果音→「いかりが ばくはつした!」→下のパオパ王に睡眠エフェクト・効果音→「うとうと ねむってしまった!」→左のパオパ王がシレンを殴る→左のパオパ王に睡眠エフェクト・効果音
状況から推察すると、左のパオパ王は「いかりが ばくはつした!」はずなんです。
けれども左のパオパ王はシレンを殴り、なぜか眠る。
つまり、左のパオパ王はテキストメッセージが表示されずに眠ってしまったのです。
少なくとも「いかりが ばくはつした!」状態のパオパ王が1体はいなければいけないのに、3体とも眠ってしまった。
バグとしか思えません。
・左のパオパ王には話の種が2回適用された。
・話の種の効果が保留された。殴った段階では話の種の効果が及ばず、テキストだけが流れ、殴った後に初めて効果が適用された。
思いつくのはここら辺ですが、「バグだから」で終わりそうな気もします。
これがバグではなく仕様であれば、ここに「0.5行動」に至るターン処理のヒントがありそうな予感がしますし、私が遭遇した歩かないカンガルー問題のヒントがありそうな気がします。
(追記)わんたんさんに教えていただいて、私も確認したところ、19Fで盾に眠印を合成していました。なので、殴った後に左のパオパ王が眠ったのは普通の仕様でした。
8.2.杖振りモンスターは例外。倍速・鈍足処理も例外。
・「0.5行動の原理」シレンの鈍足状態が解除されるとパオパ王が2回行動できてしまう。
・隣接敵優先の原則を無視して視認したシレンに特技を使うことがある。
・敵の移動が優先されるのに、キララが先に歩いてしまう。
・話を聞いて「いかりが ばくはつした!」後、殴って眠る。
杖振りモンスターは何らかの理由で優先順位や行動順がおかしなことが多いです。
ここにシレン2のターン処理を解明するヒントがありそうですが、制作側から見れば見落としでもありそうです。
鈍足状態ですばやさ草を飲むと等速になります。
しかし、等速なのはプレイヤーの見かけ上だけの話かもしれません。
鈍足→すばやさ草で等速になった後、すばやさ草の効果が切れると「シレンは もとのはやさに もどった」というテキストメッセージが表示されます。プレイヤーの目線では等速から等速になったわけですから、このメッセージはとても無意味なように感じます。すばやさ草を飲んだ時点で「シレンは もとのはやさに もどった」というテキストメッセージを表示してもよいはずです。「等速から何に戻るというのだろうか?」と私は前から疑問に感じていました。ここに鈍足処理の苦労が見え隠れしている気がします。
根本的に鈍足と倍速では異なる処理を行っているのかもしれません。
3倍速・2倍速・等速・鈍足。
ここら辺について私はまだ知識が浅いです。
鈍足状態とはどういうことか。
・手番を回す部分で調整している(鈍足=手番を与えない・スキップする)のか?回ってきた手番で調整している(鈍足=手番は回すが、強制で待機させる)のか?
・敵・味方・シレンで鈍足処理は同じか?それとも異なるか?敵は永続なのに、味方やシレンには期限があることとも関係しているのかもしれません。
気が向いたら調べてみます。
修正履歴
・2023年11月14日:おまけ2で「左のパオパ王が眠っている」の記述はバグではなかったので修正・追記しました。